ウリアゲスイッチ,アタカの手の内を公開

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70号 アタカの手の内を公開

特集 アタカニュース

アタカの手の内を公開

01

日本の右脳レス経済

 昭和20年。すべてを失った戦後の荒廃から日本経済の躍進は始まりました。闇市という非合法な場所で瓦礫やトタンで出来た汚らしい店を建てて、明日をも知れぬ敗戦国の国民は飢えをしのぎました。ですが、そこには明確な目的がありました。国の復興、安定した生活の復活です。道を作り、鉄道をめぐらし、建物を整列させる。住宅地には小さな商店街が生まれる。経済が膨らみ人々の生活が向上する。生活の充実とともに家電や自動車に需要が生まれ、最初は外国の真似だった日本製品も、その勤勉な国民性から世界をしのぐメーカーを生むこととなりました。
 敗戦から19年後には東京オリンピックが、その6年後には大阪万博が開催され、世界の大国へ返り咲きました。0からのスタートだったからこそ出来た奇跡的復活劇。その荒廃しきった土地からの急成長時の習慣が現在の不景気を生む切っ掛けとなりました。
 圧倒的な需要は短期間のうちに日本に富をもたらしました。先進国のようにスマートではなく、膨張し続ける経済下で、荒削りの経営であっても大きな利益を生む強い経済が育っていました。その荒削りを細かく叩けば、更に利益は膨らみます。売上は景気が作るもの。利益は事業を叩いて膨らますもの。そんな昭和の経済手法が確立していきました。これが日本の全経済プレイヤーの思考となり、あらゆる指導機関の支援手法となりました。飽くまで景気が急浮上する特殊な好景気経済環境下でのみ有効な手法です。
 景気の浮揚が穏やかであったり、もしくは下降している場合は通用しないということに気付かないまま、30年の長き不景気を放置して来たのが実情です。経費節減・人件費削減などの安易なコストカットが継続し、バブル期に800万あった事業所は300万を切るまでになり、景気は壊滅状態といえます。消極的な経営指導ファーム神話を信ずるあまり、戦後経済にあった筈の冒険やチャレンジを恐れ、ポジティブさを失い、全ての思考がネガティブになって行ったのが今の不景気の原因です。
 
 脳でいえば左脳が横行し右脳を尊重しない経済、気持ちでいえばネガティブな思考が充満しポジティブさが存在しない暗い世界。それが今の下降経済を生んでいることに早く気が付くべきなのです。

陰と陽・右脳と左脳のバランス
 日本経済に欠けているもの。それは『陽の発想』です。世界には当然あるのですが、特に日本にはそれがありません。韓国は10年以上前からあらゆるチャレンジを尊重する経済にシフトして、今や日本経済を追い抜いています。世界がこの20年前対比で180%の成長をなしえているのに対し、日本は100%のまま変わらず。直近の円安による棄損でさらに対比70%までに落ち込んでいます。
 経済失速、企業の売上減少、付加価値の無い経済。これらの課題から抜け出す抜本的な解決策が存在しません。失われた30年と言われる経済失策の原因は、ポジティブさの欠片もない経営指導ファームに起因しています。
 この結果は左脳中心の思考・ネガティブ経営の結果であることは明確です。右脳とのバランス、ポジティブ思考への転換を図らなければ日本経済の浮揚はあり得ません。右脳を尊重しない経済習慣、そして、その空気に慣れ親しんで、本来の使命を果たそうとしない右脳も同罪です。まさに右脳レス経済と言っても過言ではありません。
 既に充分遅いですが、右脳を利用した経済活性化手法を官民こぞって取り入れ、いち早く経済復興のスタートを切らねばなりません。術が無いのではありません。日本経済はまだまだ充分成長します。
 

02

デザインと戦略

 弊社アタカプランニングは、戦略やデザインが事業の売上に強く影響することを確認し、20年にわたり研究と実践を繰り返してきました。そこで明確になったことは、戦略やデザインは目的を達成するために必要なパーツであり、特に戦略は、事業改善において一番必要な『的確な目標設定』であるという結論に至りました。『的確な』とは、業種や商品サービスの需要、顧客となるターゲットの明確化、事業環境などを考慮して『達成可能な』目標を作るという意味です。
 ただ単に戦略を考えるのではなく、ただ単にデザインを良くするのではなく、目的達成に効力が予想される正しい戦略をベースにデザインや付加価値を使うことです。そして、それらの実行軸は、事業サービスで求められる顧客の目線で展開されなければなりません。
 経済急成長の時代にもデザインやクリエイティブによる付加価値は利用されてきましたが、それほど効果のあるものではありませんでしたし、効果を求める習慣もなく、宣伝はお金が余ったらやる、という『捨て金的な考え』が主流でした。なので、良いデザインワークも、決して効果を求めるものではなく、発注者やデザイナーの自己満足で終わるレベルが横行していました。それが経済下でのクリエイターのセオリーとなって、左脳が右脳を尊重しない要因にもなっていました。

右脳の使命
「そんなことをしても無駄だ」一部の右脳は知っていました。知っていても余計なことを言えば仕事がもらえず、多くの右脳は発注する側の言いなりでした。弊社代表の古河もそのことを充分知っていたので、一部のクライアントに許可を得て『右脳による戦略デザイン』をテストさせてもらい、3案件で100%の成功を収めました。その実証を基礎として、実行・研究を繰り返し、支援サービスの向上に努めました。
 しかし、右脳には税理士や中小企業診断士のような公的な資格がありません。名乗ればデザイナーに成れてしまうレベルです。このような烏合の衆をこのまま放置すれば、正しい右脳の利用は進捗しません。
 デザインやコピーを学ぶだけでなく、自分の能力がクライアント事業の何に影響するかの自覚が必要になります。
 そのためには右脳であっても、経営学の基本くらいは知っていなければ、経営者の役に立つ話も出来ません。
 私は改善対象の事業を俯瞰して、その事業が改善後にどのような姿になるかを頭に浮かべます。沢山の利用者が入るために必要な事業のアプローチはどんな姿か?付加価値を感じ、事業価値を感じてもらう事業内部はどんなイメージか?ホームページは、商品の見た目はどうか?詰めていけば行くほど、どんどん姿が明確になっていきます。頭に浮かんだ通りに図面を描き、商品のパッケージやネームを決定し、その結果、改善前より大きく成績を伸ばします。
 左脳の指導者が責任を持ちきれない売上。これは右脳が作り出すものです。右脳が売上を高め、無駄な部分を左脳が引き締め指導する。右脳と左脳のよいバランスで、的確な経営指導が可能であると言う結論に至りました。

新たな事業改善支援手段
 まず、改善対象のデータを収集します。数値データ・事業環境データ・ターゲットのデータ。これらは左脳指導者の作業となります。次に、事業付加価値の評価。全体デザイン・広報手段・事業外観印象・事業内部印象・商品の評価・サービス体系の評価の全6分野を評価します。これらは経験のある右脳か、または事業ターゲット顧客の平均的目線で評価される必要があります。これで、経営情報と現在の価値評価が揃います。次に的確な到達点を決めます。これは右脳左脳を問わず、的確なゴールセッティングの手法を学んだ資格者が担当します。
 次に戦略を決めます。どのような効果を出していくのか6分野におけるマイナスの埋め込み、プラスの増幅、そして足りなければ価値の追加を行います。そして、それらの価値を増やすためのデザインをはじめとする付加価値作り(クリエイティブワーク)を行います。
 これら作業を分担し、それぞれに段階的資格を作り、右脳左脳のグループワークで理想的な事業改善が叶います。経済は一つ一つの事業の集合体です。一つ一つの事業をスピーディーに改善すれば、日本経済は世界との差を詰めるべく成長して行くことが可能となります。短期に多くの事業を改善するためには、弊社だけでなく、弊社のノウハウを広く全国に展開し、人を育て、量的な戦略が可能な体制をいち早く作る必要があります。

 私たちの日本経済は現在危機的な状態にありますが、ポジティブな考え方を用いることが出来れば、成長余力が沢山ある状態で、伸びる余地があると見ることができます。
 ダメな理由を探すことに没さず、可能な手段を探りましょう。日本経済の多くの指導者達にポジティブにこの手法を受け入れて頂き、一日も早く日本経済が復興することを夢見て、強い行動を起こします。是非、共にやり切りましょう。

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