日常生活ではあまり目にしない言葉ですが、古典文学や宗教的な文脈で登場するのが 御行・ぎょう/ごぎょう です。
漢字の形からも高貴さや格式が感じられ、場面によって複数の意味を持つのが特徴です。
この記事では、御行の意味・語源・使い方 を整理し、歴史や現代での活用例も紹介します。
目次
御行の基本的な意味
御行には大きく3つの意味があります。
- 高貴な人の外出や行幸
行くという動詞に尊敬の接頭辞「御(ご・お)」を付けたもの。
天皇・貴人の移動を丁寧に表現するときに使われました。
例・帝の御行・おんぎょう、華やかに催されけり - 修行や行いを敬っていう表現
仏教や修道における「行・ぎょう」を尊んで表す言葉。
例・高僧の御行は多くの人を導く - 苗字や固有名詞としての御行
日本には御行(ごぎょう)という苗字や地名も存在します。
また、七草の一つ「御形・ごぎょう」と混同される場合もあります。
つまり御行は高貴な人の外出または修行を敬う表現が基本で、文脈によって意味が異なります。
現代の言葉遣いにおける「御行」「貴行」「当行」などの敬称との違いは、銀行用語における敬称の使い分け解説も参考になります。
御行の語源と歴史
- 御… 敬語を示す接頭辞。尊敬・丁寧さを加える役割。
- 行… 「いく」「ぎょう」などと読み、移動や修行を意味する。
古典文学や歴史書では「御行・おんぎょう」として天皇の行幸や高僧の修行を表す言葉として頻出しました。
例・源氏物語や平家物語などに「御行の供」といった表現が見られます。
御行の使い方と例文
- 文語的な敬語表現
陛下の御行に随う=天皇の行幸に同行する
師の御行を拝見する=師匠の修行を敬って見る - 現代の比喩的な使い方
人生そのものが御行である=人の歩みを修行になぞらえる
※ビジネス文章ではほとんど用いられないが、宗教・文学分野では稀に使われる
御行と混同しやすい言葉
- 御幸(みゆき/ごこう)
天皇の外出や行幸を表す。意味は似ているが、漢字表記が異なる。 - 御形(ごぎょう)
春の七草の一つで母子草(ははこぐさ)のこと。御行と混同されやすい。
御行は人物の行動・修行に敬意を示す語であるのに対し、御形は植物名です。
御行の敬語的な意味や「貴行」との違いは、Mayonezの記事でも詳しく整理されています。
御行に関連する現代での使われ方
- 神社仏閣の法話や文書で御行という表現が使われることがある
- 苗字や地名に御行と書いて「ごぎょう」と読む例も存在
- 文学作品や歴史ドラマで古風な表現として登場
まとめ
御行・ぎょう/ごぎょう とは、
- ✅ 高貴な人の外出・行幸を敬って表す言葉
- ✅ 修行や行いを尊敬して言う仏教的な表現
- ✅ 苗字や地名、または七草の御形と混同されやすい言葉
古語や宗教的文脈で登場するため、日常生活ではあまり馴染みがありませんが、文学や歴史を理解する上で知っておくと役立つ言葉です。